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毎週金曜〜イワモトサロン〜vol 23

70億人のフォロワーの皆様、おはようございます、こんにちは、こんばんわ。

金曜 岩本康平の ~ イワモトサロン ~  でっす!

 

毎週 金曜、岩本康平の心に突き刺さった モノ、コト、ヒト、ウタ などなどをお届けするジャングルジム的実験サロン。

時に美容師として、時に一人の男として、想いを紡ぐ プレイグラウンドとなっております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、

 

 

 

 

 

 

うちのタンスの肥やしになっているたくさんのお洋服は、いつも出品サイトで買ってもらっているのですが、

 

出品する前に、今生の別れを忍んで、また、感謝の気持ちを込めて、最後にサロンで着用するようにしています。

 

 

 

 

先日から出品するか悩んでいた帽子があり ようやく決心がつきました。

ということで、最後の着用日を迎えた朝。

 

 

 

坂本さんがお店に到着され僕を見るなり「なにそれーー!かわいい~♡」「ちょっと被らせてよ~♡」と帽子を取り上げてフィッティングが始まりました。

鼻歌が聞こえてきます。

合わせ鏡で様々な角度から確認。

このファッションショーに観客は僕ひとりです。

床の四隅から もくもくと立ち込めてきたのはドライアイスの白いスモーク、ではなく 嫌な予感 でありました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さあ、今日も出るか。

 

 

 

 

 

 

出るのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「 ねえ これ、ちょーだい♡ 」

 

 

 

 

 

 

 

出ました。 やはり出ましたね。

 

 

 

 

 

このキャップには着用回数4~5回でしたが、たくさんの思い出が詰まっていたのです。福岡本店に勤務中、クリヤさんと買いに行きました。レザーキャップってなかなかバランスがいい形のモノって少なくて、探していたわけではなかったのですが、質感とフォルムに一目惚れして購入を決意。こんなに優れたレザーキャップはもう出逢えないと思いました。クリヤさんも自分に合うサイズがあれば購入したかったと言っていました。

 

 

ところが、クリヤさん、

僕が翌朝サロンに被って行くと、その日のお洋服と帽子の後ろから出るポニーテールを見て「ジャネットジャクソンみたい。」とご指摘いただき、「誰がリズムネーションやねん!」という返しも我ながら秀逸でした。お客様には「こんにちは、本日 担当致します、ジャネットジャクソンです。」と言えば大爆笑が約束されていました。

 

 

 

 

 

いい思い出です。

 

 

 

 

 

「なりませぬ、な、なりませぬ!」「あたしのほうが似合うもん。」こんな押し問答が30ターンほど過ぎた頃、僕がその帽子を再び被って見せたなら「あんたジャネットみたいやね。」と奇跡のご指摘をいただき、「誰がリズムネーションやねん!」の返しも虚しく 差し上げた次第であります。

 

 

でもでも、購入してから数年、ほとんど被らなかったこの帽子が、こうして坂本さんの手に渡り、とてもよく似合っているのを目の当たりにすると、こういう運命だったのかと感慨深く思いました。

ひとつの帽子の 長い旅を見届けれらたように思っています。

 

長い旅の終わりを祝うために、

坂本さんは 僕と帽子を焼肉パーティへ連れて行くそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日は機嫌がいいみたいでした。