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毎週金曜〜イワモトサロン〜vol 40

70億人のフォロワーの皆様、おはようございます、こんにちは、こんばんわ。

金曜 岩本康平の ~ イワモトサロン ~  でっす!

 

毎週 金曜、岩本康平の心に突き刺さった モノ、コト、ヒト、ウタ などなどをお届けするジャングルジム的実験サロン。

時に美容師として、時に一人の男として、想いを紡ぐ プレイグラウンドとなっております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、

 

 

 

 

 

昔、『 うしおととら』 という漫画を読んでいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

アラフォーの方には親しみのある作品かと思いますが、僕の通った小学校でも漏れなく当時流行っていて、学校に行けば最新号の話題や休み時間には うしおととらごっこ をしたり、懐かしい青春の一ページに深く刻まれた作品でありました。

 

 

 

 

 

 

 

この漫画は、終始 どこか陰鬱とした雰囲気があり、重めのタッチで描かれた作品だったのですが、ドラゴンボールやスラムダンクにはない独特の重たい世界観が魅力であります。

 

 

 

 

 

 

僕は その絵や描写は格別好みではなかったのだけれど、物語として とても素敵だなぁ と感じていました。

 

 

 

 

 

 

 

主人公 うしお は寺の息子なのですが、ある日 寺の敷地にある大きな蔵の地下で、長い槍と一緒に壁に射抜かれた妖怪に遭遇します。

妖怪はこの槍を抜いてくれれば、なんでも言うことを聞く というので抜いてみると、案の定 その妖怪は約束を裏切って うしおを食べてしまおうとするわけですね。しかし、その槍には意思があり持つ者を選ぶのですが、うしお はその抜いた長い槍「 獣の槍 」をなんなく振るいその妖怪をぼてくりこかすわけです。そうして、泣く子ももっと泣き出す大妖怪 とら はうしおの手によって500年の時を経て封印から解かれることになったのですが、とらと一緒に封印されていた魑魅魍魎たちも現世に放たれることになり、うしおととら は悪霊退治と 自身の母親を探す 苦難に満ちた旅に出るのです。

 

 

 

 

喧嘩しいしい旅を続ける中で、二人のあいだには絆が生まれ、そして、獣の槍を振るう者はいつしか心までも獣に染まってしまうのでした。

 

 

 

 

 

 

獣の槍 を巡る数奇な運命を、奇しくも 少年と妖怪が歩んでいく。

 

 

 

 

 

 

僕には、漫画家が創造したこの物語が、幻などではなく、

僕らの身近に、もしかすると僕が、あなたが 今 歩んでいる、美しくて儚い物語なのではなかろうかと 思ってならないのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

当時 生きる ということにはどんな意味があるのだろう? と考えていた僕に、

どんな仲間と生きていこうか? という 新たな生き方の側面を 突きつけられたように感ぜられました。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして最近、そのような自分の密かな禅問答を 俳優 森山未來さんもされていたというのを 最近知ったのであります。

 

 

 

 

 

 

 

 

とういうのも、テレ東の『 このマンガがすごい!』という番組がアマゾンプライムで配信開始になったみたいで拝見していると、彼氏も うしおととらのファンらしく、それを蒼井優ちゃんと共に監督し実写化する ということをやっていたのです。

 

 

 

 

 

 

森山さんは うしおととらに造詣が深く、共感するものがたくさんありました。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、

 

 

 

 

 

 

森山さんが実写にチョイスいたシーンは、うしおが槍を振るいすぎて もう人間に戻れないほどになってしまっているシーン。

 

 

うしおを人間に呼び戻す方法はただひとつ。

彼の母親の櫛で 髪をといてあげることなのです。

 

 

殺し合いに継ぐ殺し合いで、身も心も獣のようになってしまっている うしおの髪を ヒロインは件の櫛でといてあげるという あのシーン。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

選考オーディションには20名の女性が集まりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

森山未來さんと蒼井優ちゃんが、ひとりひとり真剣に 丁寧に 彼女たちの演技を見定めていきます。

 

 

その張り詰めた空気感たるや こちらまで ばしばし緊張感が伝わってくるほどです。

 

 

 

 

 

 

そうして、最終課題アドリブ演技。

 

 

水を張ったような緊張感が漲った会場で、対 森山未來さんへ演技を繰り広げていくわけです。

 

 

 

 

 

 

 

参加者が皆 名もなき女優だからなのか、それとも森山未來さんが別格なのか、とにかく、プロとアマの違いをまざまざと見せられるようでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ただシンプルに言葉を吐く ということが、ここまで違うのだなぁ と感動しました。

 

 

 

 

 

 

と 同時に生きる ということを、出演された皆さんから まざまざと見せられた心持ちでありました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの日、参加された 20名の名もなき女優の皆さんへ 

南青山から惜しみない敬意を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕も頑張ります。